プレゼンテーションとは?
まずそもそもプレゼンテーションとは一体何なのでしょう?
私はプレゼンテーション=人に自分の考えを伝え、理解してもらうこと
だと思っています。
伝えることの決定 -メニューを決めよう-
プレゼンテーションを「料理の提供」に例えてみましょう。
料理の提供までに必要なこととして
1つ目に料理のメニューが必要ですよね。
このメニューというのがプレゼンテーションでいう「伝えたいことの明確化」だと思います。
その場合、メニューを決めずに料理は出せない
❘❘
伝えることを決めずにプレゼンはできないということになります。
そのため、自分がプレゼンで何を伝えたいかは明確にしておきましょう。
2つ目は調理方法・盛り付けです。
これはプレゼンテーションでいう「わかってもらうための努力・工夫」の部分に該当すると考えています。
その場合、美味しく食べてもらう
(ここは料理人の腕の見せ所で材料、調味料、調理法、盛り付けで変わります)
❘❘
より良い理解をしてもらう
(発表資料の見せ方、背景からの流れなど) という感じになります。
料理の提供も誠意を出さないとお客さんに喜んでいただけないですが、プレゼンテーションも同じだと思います。
ここまでをまとめると、
・伝えることを自分で十分に理解(調理方法・盛り付け)
をして始めて他の人に伝わると思います。
発表資料を作る前に -レシピを作ろう-
伝えたいことをはっきりさせるために…
発表の大まかな流れ(レシピ)を作りましょう!
研究発表を例にすると
2.スタート(背景・目的)を設定
3.コース(実験方法・結果・考察)を決定
のようになります。
聴衆の視点で見直し -客は誰?-
そして、発表の大まかな流れができたら…
聴衆の視点で見直しをします。
流れの確認のときは聴衆の視点から以下を確認します。
・主張が最も強調される順になっているか
・論理は通っているか
・説明は過不足ないか
この3点を確認しておけば充分だと思います。
“わかりやすい”の重要性 -おいしい料理-
料理の場合どんなに高級な素晴らしい食材でも美味しくないと価値は半減してしまいますよね?
プレゼンテーションも同様でどんなに実験結果が良くて、素晴らしい中身でも理解されないと価値は半減してしまいます。
そのため、わかりやすい発表で中身を理解してもらうことは重要になります。
わかりやすい発表のために重要なこととして、次の点が挙げられます。
・言いたいことが伝わるデザイン
・スライド内で1メッセージ
・大きな声ではっきり・ゆっくり
これらのことを守ることを念頭に置いてプレゼンテーションを作成していきましょう。
伝えるための技術
分かりやすく伝える技術には次の3つのポイントが挙げられます。
②見やすい図
③文字・伝わるデザイン
④その他
それぞれのポイントについて詳しく見ていきます。
語るスライドにしよう!
人間が外界から得る情報の約8割は視覚からといわれています。
そのため、スライドに語らせる(視覚に訴える)のは非常に重要で一目で意味が取れるスライドはわかりやすいと思います。
スライドの情報量
そのために気を付けることとしてスライドの情報量が挙げられます。
プレゼンの発表には基本的に時間制限はあっても、スライドの枚数に制限はありません。
そのため、私は1スライドで主張することは1つにするよう決めておきます。
なぜなら、複数のことを主張しようとすると情報過多になりすぎて、聞き手がどこに注目すればいいのか分からなくなるからです。
区切りを示すスライドの有用性
また、区切りを入れるスライドも入れることも視覚に有効だと思います。
例えば、
今話している現在の位置を示してみたり、

ここから結果であることを示したり、

することも可能ですね。
見やすい図・文字を作るには?
続いて見やすい図や文字を作成する時の注意点をあげていきます。
見やすい図のポイント
①図の解像度は十分か 、凡例や軸ラベルは読めるか
これは、図や表で解像度が悪かったり、凡例や軸の単位などがないと聞き手にも伝わりにくくなるので気を付けてみてください。
②色合い・コントラストは適切か
不適切な例としては下図ののように二種類の灰色がわかりづらかったり、黄色が見えない場合があるので、きちんと適切かどうか確認しましょう。

読みやすい文字のポイント
①文字の大きさ
・原則18pt以上(できれば24pt以上)
・引用は14ptでも可
②おすすめフォント
・日本語:メイリオ、游ゴシック
これらのフォントは等幅で視認性に優れ、太字がはっきりします
・英語:Segoe UI
Segoe UIは和文との大きさやバランスが良いです
①、②についてスライドにまとめた例を図にまとめました。

③背景とのコントラストは適切か
濃い背景、薄い背景によってそれぞれ文字色を選択しましょう。
また、スクリーンに映すと白飛びしやすいので発表前に確認しておいたほうがいいと思います。
④改行は適切か
改行が適切な位置で行われていないと非常に読みにくくなります。
⑤体言止め
スライドでは話し言葉ではなく体言止めを使いましょう
例:× ~を検討した ○ ~を検討
⑥余計な情報が書かれていないか
余計な情報を書き込んでスライドを小さな文字で埋めないようにしましょう。
③~⑥のポイントについてまとめてみました。

伝わるデザインにするには?
伝わるようにプレゼンテーションのデザインを作るには
そのデザインと意図の一致させなければなりません。
具体的には、
①配置と意図の一致
②色・強調と意図の一致
です。
それぞれ詳しく説明していきます。
配置と意図(属性の明確化)
配置と意図を一致させるにはとにかく揃えることがポイントです。
同列の内容は揃っていないと同列に見えません。
そのため、位置・フォント・色・大きさは揃えましょう。

使用する色について
使用する色は主に3~4種類に分けられると思います。
①ベースカラー 文字に使用:黒か濃いグレーが良い
②メインカラー 強調に使用:比較的多く使う色(1色)
③アクセントカラー 更なる強調:いわゆる差し色(1-2色)
また、使える色はこれらの3~4色だけではなく、濃淡も使用できます。

色の選び方
続いて、色の選び方についてです。
選び方のポイントとしては、
基本的にデフォルトで入っているカラーパレットから選択すれば良いと思います。
パワーポイントであれば、カラーパレットの変更は【デザインタブ→バリエーション→配色】で行えます。
ただ、入ってるカラーパレットが微妙なんだけど…と思う方もいるかもしれません。
その場合でも編集できます!(詳しくは後述します)
次に色を選ぶ際の注意点です。
①原色を使わない
目が疲れますので彩度を下げましょう
②薄すぎる色は使わない
スライドでは白く映ることを計算に入れてください
③視認できるコントラストか
濃い+薄いの組み合わせでうす
④イメージに沿った色か
例:青系統→冷たい 赤系統→熱い
最後に色を使うときのポイントです。
色を使う対象は統一しましょう(色使いにルールを決める)
例えば、元素A関係は赤系統、元素B関係は青系統にすると決めておけば、まとまりが分かりやすくなります
効果的なテキストの強調
強調例を挙げていきます。
太字…タイトルや強調箇所が小さい範囲に使えます。太さが大きく変わるフォントでは効果的です。
下線…長い部分の強調に使用します。スライドでは読みにくいこともあり要注意です。
斜体…英字の強調
例:Italic is effective method for a sentence written by Alphabet
その他にも大きさを変えたり色を変えたり、光彩をつけたりしてみましょう。
変化・流れの強調
アニメーションの活用
アニメーションの効果は…
①視点の流れを決定づける
②変化をダイナミックに見せる
ことが挙げられます。
ただし多用するとうるさくなるのでピンポイントで使用するのがいいと思います。
強調の使い過ぎに注意
強調を使いすぎると下図の左側のように何が大切かわからなくなります。
右側のように強調されるべきところが目立つようにしてみてください。

その他のポイント
最後にこれまで書いてきた①語るスライド・②見やすい図・③文字・伝わるデザイン以外にプレゼンテーションにおいて重要なポイントについてまとめていきます。
発表時の話し方
1つ目は発表時の話し方についてです。
ポイントは大きな声ではっきり・ゆっくりとはなします。
本番は早口になりがちなので注意してください。
事前に堂々と自信を持ってしゃべるために練習を積み重ね、また英語の発音・アクセントの確認も余裕があれば行ってみてください。
初めて聞いた人に伝えるには?
2つ目は初めて聞く人が理解できるかです。
聴衆は基本的にはあなたの発表を初めて聞きます。
その方々に理解してもらうには発表の流れがわかるかが重要になります。
わかってもらうための例として
・発表の構成を最初に示す
・現在の発表がどこまで進んだか示す
・区切りのスライドを入れる
・スライド番号を入れる(強く推奨)
などが挙げられるのでスライドに工夫を入れてみてください。
もう一つのポイントとして聴衆は誰かを考えてみてください。
聴衆は…専門家?畑違いの人?研究室の人?一般の人?なのかは事前に確認しておきましょう。
その上で、
・用語が誤解されないか
・説明はくどくないか
・何に関心を持ってもらえそうか
を見直してみてください。
関心をひく方法
聴衆の関心をひくにはどうしたらよいでしょうか。
答えは「発表にストーリー性を持たせる」です。
基本的には
目的:~するために
方法:~を用いて
結果:~だったので
結論:~といえる
資料作成するときには動機が伝わるように話の流れ(起承転結)を精査してみてください。
まとめ
今回はプレゼンテーションで分かりやすく伝える技術として
②見やすい図
③文字・伝わるデザイン
④その他
の4つのポイントを挙げてまとめました。
社会人はもちろんのこと学生でも必要なスキルなので、何回でもこの記事を読んでみてください。
結論はプレゼンテーションの準備で大切なことは…
2. 自分で内容を咀嚼し
3. 聴く人を意識して
4. わかりやすい発表資料を作る
だと思います。
これからは(とくに社会に出ると)「テストの出来」ではなく、「プレゼンの出来」で評価されることが多くなると思います。
何度も何度も繰り返して(反復練習)うまいプレゼンがはじめて出来るようになります。
皆様のプレゼンテーションがうまくいきますように願っております。
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