今回は短距離走のフォームについて書いていこうと思います。
この記事は
・これから陸上競技を始めたいと思っている方
・全く陸上競技を知らなくて体育とかで速く走りたいと思っている方(もちろん小学生など)
に向けて書いています。
これを読んで、走りに対する理解を深めて頂ければと思います。
始めに
みなさん遂にシーズンが始まりましたね。
今シーズンの目標記録を掲げていると思いますが、それまでの冬季練習は思い描いた通りきちんと練習を積めましたか?
「どうすれば速くなる」「ここを伸ばそう」
と色々試行錯誤して、考えながら冬を過ごしたと思います。
シーズンが始まり、思ったようにまだタイムが出てない人もいるかもしれませんが、今回のブログが少しでもみなさんの理想、思い描く自分に近づくヒントになれば幸いです。
踵から入るとは?
踵から入る動きとは結果であり手段ではありません。
動きは図1.bに示すような形であり、疾走時には踵がつかない意識が大事だと思います。(実際はついているのかもしれませんが。)
そもそもこの動きはスムーズな重心移動が目的です。すなわち、つま先からの接地(図1.c)を防ぐ目的と、なるべく体(重心)の近くで接地する目的で行っています。それなのに疾走中も踵から接地してしまっては本末転倒です(図1.a)。

軸の形成
軸とは、体全体を一本の棒のようにして、地面からのエネルギーをロスなく伝えることができる状態です。
二軸理論と言う言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、この軸を左右両方に持つのが二軸理論です。
この軸を形成するのに最も有効だと思われるのが壁押しです。
軸ができていれば、壁にまっすぐに力を加えることができ、より強く壁を押すことが可能となります。

脚の上げ方・下げ方
コンセプトとして大きい筋肉を使うことが大切です。
すなわち、体の中心部(実際は腸腰筋や大臀筋でしょうか)から上げ下げする意識が大切です。
腰が落ちている選手の多くは膝から上げて、ハムストリングで無理矢理引っ張っている印象です。
この動作はどんな走りを目指す上でも基本的なコンセプトであり、この動きができないと後に説明するシザースなどは出来ません。
やり方はいくつかありますが、練習メニューの中では壁押しで腿上げを意識できると思います。
シザース(はさみ込み)
これまで幾度か説明してきたとおり、シザースの前には脚の上げ下げが正しく出来ていること前提です。シザースが遅れてしまうと前方方向へ力のロスなど走りに影響が出てしまいます。

ここでは、シザースのタイミングについて説明します。
シザースはスイング(上げ)とドライブ(下げ)のタイミングが全てです。とりわけシザースの遅れの原因となるのはスイングの遅れです。

シザースが遅れる選手を見ますと、スイングの空中動作が遅いわけではなく接地が長くなり(蹴りすぎ)、結果的にスイングが追いつかなくなるといった現象が見られます。
それゆえ、まずシザースのタイミングを図るためのドリルとしてツーステップと両足接地の片足ジャンプを推奨します。
スタートの1歩目
スタートの形は基本こそあれ千差万別です。
それゆえ、私はスタートの一歩目の意識の練習方法を示唆したいと思います。図2のようにはじめに軸を作って、そのまま上体を倒していき、倒れるギリギリにタイミングを合わせて誘脚で上体を前に引っ張り、それと同時に軸足で地面を蹴ります。脚だけ使って出るよりも上体から動かしたほうがより大きな力が生まれ、より大きく一歩目が出られます。ここで間違ってほしくないのは、誘脚を意識するあまり蹴る動作をしない人がいますが、決して蹴らないのではありません。軸足は蹴る(私はPUSHと言いますが)のが前提です。

まとめ
今回のブログで走りに対する理解を深めてもらえたでしょうか?
実際に動いてみるときにコンセプトを理解しているのと理解していないのでは意識するポイントなどが変わってきて、何かを発見、感じることができると思います。
ここまで理論を書いてきましたがひとつ注意事項があります。
グラウンドでは理論は片隅に置いておく程度の方がいいと思います。頭で考えながら動作をするのはかなり大変な作業です。
グラウンドでは感覚を大切して欲しいです。始めのうちは感覚が得られないと思いますが、「速ければいいんだよ、走りやすければいいんだよ」このぐらいの気持ちで臨んでみるのがいいと思います。
それでは~
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